「メリーに首ったけ」が描く、あの世という名のワンダーランド ─ その2【完】
『大人の不思議=ヒット作の不思議 』 「時をかける少女」─この映画が持つ本当の意味はかつてTBSのラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』において、大林宣彦監督を招き、宇多丸さんと対談した回があって、...
『大人の不思議=ヒット作の不思議 』 「時をかける少女」─この映画が持つ本当の意味はかつてTBSのラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』において、大林宣彦監督を招き、宇多丸さんと対談した回があって、...
『あの世にヴィーナスを閉じ込める男たち』 今回、取り上げるのは日本では1999年公開、ピーターとボビーのファレリー兄弟監督&脚本の「メリーに首ったけ(原題:There’s Something About Ma...
『勝利したデル・トロと、その代償』 「シェイプ・オブ・ウォーター」の着想は、彼が6歳時にテレビで観た『大アマゾンの半魚人』という映画から得たそうです。その中で人間の女性に恋い焦がれながらも拒絶され、追い払われた半魚人を可...
『多用されるメタファー』 「シェイプ・オブ・ウォーター」において、これまでのデル・トロ作品との大きな違いを挙げるとメタファーの多用があります。パンフレットを読むと同じメキシコ人で盟友のイニャリトゥ(バードマンとレヴェナン...
『皆が待ち望んでいた「作家」としてのデル・トロ』 今回、取り上げるのは2018年、第90回アカデミー賞において作品賞を始めとする4部門を獲得した、ギレルモ・デル・トロの「シェイプ・オブ・ウォーター」です。アカデミーを獲っ...
『この作品における「本当の謎」とは?』 かの名探偵シャーロック・ホームズは推理するに当たって、残された証拠から事件現場で起こった出来事を想像し、推理どおりであるならば、そこに本当は存在しなければならない物が存在しない場合...
『モラリティーと同時存在 』 この作品の難解性を際立たせている大きな要素として「モラリティーと同時存在」があります。これは家に遊びに来た、アフリカ帰りの「彼」が、主人公である「僕」に納屋を焼き続けていることを打ち明けた後...
『読み解く上で、補助線となる作品について』 村上春樹さんの「納屋を焼く」は読後に残る大きな「謎」もあって、ネット上で検索しても、これを論じる方は多いみたいですね。僕も大好きな作品ですが、今年に入って韓国の巨匠、イ・チャン...
『眼差しで、語る』 前にも少し触れましたが、作者であるジョージ・ミラーはこの作品を、英語が理解できない国の人が翻訳字幕なしで観ても楽しめる映画にしたかったと語ったそうですが、それが象徴的に分かる箇所として「目」の演技があ...
『英雄とは、何者か?』 いつだって「神話」には「英雄」がつきものです。なぜなら「神話」とは「英雄」が冒険する話だからです。英雄と聞いて、皆が思い描くイメージは己の身体を張って敵と戦い、苦しむ人々を救い、その結果、王として...