「CURE キュア」が暴く、人間の憎悪 ─ その3
『不安はあんたの中にある』 映画タイトルが『CURE=治療』である以上、当然ながら前提として治されるべき病(やまい)が存在する訳であり、間宮はその治療者です。彼は被害者の中から「憎悪」を抽出し、それを「暴力」として解放さ...
『不安はあんたの中にある』 映画タイトルが『CURE=治療』である以上、当然ながら前提として治されるべき病(やまい)が存在する訳であり、間宮はその治療者です。彼は被害者の中から「憎悪」を抽出し、それを「暴力」として解放さ...
『猿のミイラが意味するもの』 ポスター等のメインビジュアルでも大きく扱われている不気味な猿のミイラ。胸に×印が刻まれ、さらに手足も同様に×印で交差しています。このシーンより先、映画は決定的に転調します。 「リアリズム=現...
『世界的作家、黒沢清のブレイク作』 エンターテインメントの皮を被った純文学、いや哲学書。僕が初めてこの作品を見た時の第一印象はそれでした。当時アカデミー賞を独占した映画『羊たちの沈黙』の大ヒットによって、サスペンスやミス...
『ローカルとグローバルの対立』 本作においては主人公ダニーと恋人クリスチャンの駆け引きが「ローカル=土着的なホルガ村の慣習」と「グローバル=世界的で現代的な価値観」の対立に姿を変えて展開されます。これはその1で述べた、ナ...
『多幸感溢れるドラッグムービー』 アリ・アスター監督の最新作『ミッドサマー』はホラー映画と定義されています。けれど僕が特殊なのだと思いますが一秒たりとも怖いとか、目を背けたくなるというシーンはありませんでした。代わりに感...
『お爺ちゃんとなったウッディ』 「1」から「3」において、ウッデイらはアンディの「親」として、ずっと彼の成長を見守ってきました。しかし大人になったアンディは「親離れ」を果たし、新たな世界へと旅立っていく。そして「3」の終...
『なぜ、3で完結しなかったのか?』 「トイ・ストーリー4」に関しては予告編を見ていて、個人的にこうあって欲しいな、と思っていた内容がほぼ全てに渡って展開されていたので大満足な映画でした。しかし、Webを覗いてみると評判は...
『大人の不思議=ヒット作の不思議 』 「時をかける少女」─この映画が持つ本当の意味はかつてTBSのラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』において、大林宣彦監督を招き、宇多丸さんと対談した回があって、...
『あの世にヴィーナスを閉じ込める男たち』 今回、取り上げるのは日本では1999年公開、ピーターとボビーのファレリー兄弟監督&脚本の「メリーに首ったけ(原題:There’s Something About Ma...
『勝利したデル・トロと、その代償』 「シェイプ・オブ・ウォーター」の着想は、彼が6歳時にテレビで観た『大アマゾンの半魚人』という映画から得たそうです。その中で人間の女性に恋い焦がれながらも拒絶され、追い払われた半魚人を可...